『Arkadia -アルカディア-』
作・演出/樫畑 亜依子
幼い頃に家を出てから、居場所を得る為に人の望みを叶えることで生きてきた男が、ある女性との出会いを通じ、自らの望む生き方に目覚める様を、華やかでありながら退廃的な雰囲気を湛えたナイトクラブを舞台に描き出す。
雨の中、行く宛もなく道端に倒れ込んでいた青年は、ナイトクラブ「アルカディア」の花形ダンサーであるダリアに声を掛けられ、店で雇われることとなる。ミネットと名乗る男は、見返りに望むものを問うが、そんな生き方をして欲しくはないとダリアに拒否される。真っ直ぐな心を持つ彼女との出会いによって、これまでにない感情を呼び覚まされるミネットだったが、それを素直に受け入れることは出来なかった。心を閉ざしたまま満たされない想いを踊ることで消化しようとする彼のダンスは、皮肉にも多くの人々を魅了し、やがてミネットは「アルカディア」のトップダンサーとなるのだが…。