バウ・ミュージカル・ロマネスク
『パルムの僧院 —美しき愛の囚人—』
~スタンダール作『パルムの僧院』より~
脚本・演出/野口 幸作
フランスの文豪スタンダールが晩年に発表した長編小説「パルムの僧院」をミュージカル化。19世紀初頭のイタリアの小公国パルムを舞台に享楽的な美青年の恋と破滅を描いた波乱万丈の愛憎劇。
神学校を卒業したばかりの純粋無垢な主人公ファブリスが、故郷のパルムに帰って来た。育ての親である叔母のサンセヴェリーナ公爵夫人は成人したファブリスの精悍な姿に心奪われ、叔母と甥の仲を越えた感情を抱く。やがて許されざる関係に発展するが、ファブリスは公爵夫人に思いを寄せるパルム宮廷の男たちの陰謀により投獄される。絶望するファブリスであったが、牢獄の窓の下に住む城塞長官の娘クレリアと出会い恋に落ちる。ふたりは看守を通じて愛の言葉を交わし、禁断の逢瀬を繰り返す。しかし蜜月は長くは続かなかった……。
歴史の渦の中で様々な困難に傷付きながらも、愛の為に命を賭け、燃え上がる恋に身を滅ぼす若者の一途な姿を鮮烈に、また美しく描き出します。